今回のゲストは、 300日かけて世界15ヵ国の紙工房と印刷所を訪ねたという紙の世界に生きる人[kami/(かみひとえ)]浪江由唯さんです。 2月20日に 『世界の紙を巡る旅』を出版されたばかり。
現在の活動
[kami/(かみひとえ)]という屋号で、手漉き紙のワークショップや商品開発、企画展、出版物の販売を行っています。また、SNS ( twitter、Instagram、facebook、note )を使った発信も積極的で、世界の紙について、作り方や使い方、楽しみ方など、現状や今後の課題について、たくさんの文章と写真で紹介されています。
2019年に303日間にわたって世界の紙にまつわる旅を行いました。その旅行記が2021年2月、『世界の紙を巡る旅』として出版されました。旅の途中、twitter上で知り合った出版社(烽火書房)さんからメッセージがあり、出版の実現に至ったそうです。出版の際のクラウドファンディングでは250万円以上の寄付を集めました。表紙はネパールのロクタ紙を使い、本文にも11種類の紙を用いており、こだわりの1冊となっています。先日、初版2,000部が完売したとのことです。
活動の経緯
大学生のときに個人旅行で工房を巡る旅にハマっていたそう。さまざまな工芸に触れる中で、5,6年前に高知県の工房で手漉き体験をしたのがきっかけで、手漉き紙を一生したいと思ったそうです。手漉き紙でいくつかやりたいことを書き出し、社会人になって世界の手漉き紙を回りたいというのがあったそうです。元々は紙との関わりかたは研究メインで発信する人になるのかなと感じていたが、旅を通じて、今後の紙の存続を考えると、販売や製造の部分にも関わりたいという気持ちが強くなったそうです。
ど田舎で育ち、遊び場が山と海、きなこを石臼で作る家庭に育ったそうです。モノを手で作る楽しさや、心地よさは幼少期から続いているようです。
2046年に関する4つの質問
Q1. どこに住んでいたいですか?
「御祓地区(愛媛県内子町)を拠点にしつつ、世界を巡っていたいです」
Q2. 今の取組みがどうなっていたら良いですか?
「紙の道 (紙道)を作っていたい」
Q3. 最も理想的な世の中はどうなっていますか?
「やりたいことをやれる人」
Q4. お迎えが来ました。死ぬ間際にひと言どうぞ!
「紙で一句読みたい」
2046に向けて
今後は現地に入って、原料を育てたり、制作したいそう。2021年春の愛媛県内子町御祓地区への移住をきっかけに、山を借りて楮(コウゾ)や三叉(ミツマタ)を育てる計画のようです。また、手漉き紙を利用する方法にも意欲的に取り組まれるようで、和傘や、水引など伝統的な利用の仕方や、全く違った作り方を考えていきたいと言います。
紙の道(茶道、書道に並ぶような)を開きたいとのことで、2046年には信者が20,30人いたらな、と言います(笑)御祓地区での暮らしの中で、紙の活用やその完成度を高めたり広めていきたい、と意気込んでいました。
工芸の世界では興味がある人が、いざ作ろうとすると、道具や設備、場所を見つけるのが困難な状況だと言います。リビルディングセンターのような、その場所に行けば道具が揃うような拠点が各地にある世の中になればとのことでした。
おかやま の ひとこと
紙についての溢れんばかりのエネルギーが放出された配信でした。一見、手漉き紙は世界各地で減少の一途を辿っていますが、浪江さんにかかれば、可能性が無限大に広がるような気がします。これからの活動を見守っていたいような方でした。
くろだ の ひとこと
「紙が好き!」という人は世の中にたくさん居るかもしれませんが、「だから世界を回って紙づくりの現場を見て来た!」という人は、いったい世の中にどれだけいるのでしょうか?
浪江さんの並外れた紙への情熱は、この配信の1時間だけでも十分に感じられました。
何か一途に大きな事を成し遂げる人の”道が拓けて行く様子”を、浪江さんの活動を通して見させて頂いた気がします。
関連サイト
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